「AIで副業を始めたい」と思ってツールを触り始めても、最初の1件を受注するまでに止まってしまう人がとても多いです。原因はスキル不足ではなく、「何を・どの順番で・どこまでやれば案件に出せる状態になるか」が分からないこと。この記事では、未経験の会社員・主婦の方が7日間で最初の案件を受注するまでの手順を、1日ずつ具体的なタスクに分けて解説します。
この記事で分かること
- 7日間の1日ごとのタスクと「終わった」と判断する基準
- 未経験でも通りやすいジャンルの選び方と、避けるべきジャンル
- そのまま使えるポートフォリオ構成・提案文テンプレート・納品前チェックリスト
- 最初の1件で失敗しないための注意点(規約・著作権・AI利用の開示)
7日間ロードマップの全体像
先に全体像を示します。ポイントは、学習に時間をかけず、3日目には「成果物」が手元にある状態を作ることです。案件は成果物を見せて初めて取れます。
| 日 | やること | 完了の目安 | 目安時間 |
|---|---|---|---|
| Day 1 | ジャンルを1つに決める | 「○○向けの△△を作る人」と一文で言える | 1時間 |
| Day 2 | ツール環境を整える | 無料枠で主要ツールにログインし、1回出力できた | 1時間 |
| Day 3 | サンプル成果物を3本作る | 第三者に見せられる品質で3本そろった | 3時間 |
| Day 4 | ポートフォリオを公開する | URL 1つで3本と自己紹介が見られる | 2時間 |
| Day 5 | プラットフォーム登録・プロフィール作成 | 本人確認まで完了し、プロフィールが埋まっている | 1.5時間 |
| Day 6 | 提案文を10件送る | 10件送信済み(返信は待たない) | 2時間 |
| Day 7 | 返信対応・振り返り・改善 | 提案文とサンプルを1回ずつ改善した | 1.5時間 |
合計で約12時間。平日1〜2時間、週末にまとめて3時間というペースで無理なく終わる分量です。
Day 1:ジャンルを1つに決める
「AIでできること」ではなく「誰の何を楽にするか」で決める
ChatGPT や Claude は何でもできますが、何でも屋は選ばれません。依頼者の職種 × 作業の組み合わせで1つに絞ります。未経験者が最初の1件を取りやすいのは、次のように「依頼者側が内容を評価しやすく、量が必要な」ジャンルです。
| ジャンル | 依頼者の例 | 向いている理由 |
|---|---|---|
| SNS投稿文の作成(Instagram・X) | 個人店・サロン・士業 | 継続案件になりやすく、成果物が短いので修正も早い |
| ブログ・コラム記事の構成+執筆 | 中小企業・個人事業主 | 依頼量が多い。構成案だけでも価値になる |
| 商品説明文・LPの文章 | EC運営者・ハンドメイド作家 | 「売れる文章」の型があり、AIと相性がよい |
| 議事録・インタビューの文字起こし+要約 | コンサル・コミュニティ運営者 | Whisper 系ツールで作業時間が大幅に短くなる |
| 英語・多言語への翻訳 | インバウンド店舗・越境EC | ネイティブチェック不要の範囲なら未経験でも対応できる |
最初は避けたほうがよいジャンル
- 医療・法律・金融の専門記事:誤情報のリスクが大きく、依頼側も資格や実績を求める
- ゼロからのWebサイト制作:納期・修正範囲が膨らみやすく、最初の1件には重い
- 画像生成のみの案件:著作権・商用利用の条件がツールごとに異なり、確認コストが高い
Day 1 の完了条件は、「個人店向けに Instagram の投稿文を作る人」のように一文で言えることです。迷ったら「SNS投稿文」か「ブログ記事」を選んでください。案件数が多く、最初の1件に向いています。
Day 2:ツール環境を整える(無料枠で十分)
最初の1件が取れるまで、有料プランは不要です。以下を無料枠で用意します。
- 文章生成:ChatGPT か Claude のどちらか1つ(両方触ると迷います)
- 調べもの・ファクトチェック:Gemini または Perplexity
- 文字起こしを選んだ人:Whisper 系の文字起こしツール(無料枠のあるもの)
- 成果物の置き場:Google ドキュメント/スプレッドシート
- 連絡用:副業専用の Gmail アドレス(本名が分かるもの)
環境ができたら、選んだジャンルで1回だけ出力してみるのが Day 2 の完了条件です。ここで品質を上げようとしないでください。品質は Day 3 で詰めます。
Day 3:サンプル成果物を3本作る
「架空の依頼」を自分で作る
実在しそうな依頼者を3人想定し、それぞれに成果物を1本ずつ作ります。SNS投稿文なら「駅前のパン屋の新商品告知」「個人経営のネイルサロンの空き枠案内」「税理士事務所の確定申告の注意喚起」のように、業種をばらすと幅が伝わります。
AIの出力をそのまま出さない。3段階で仕上げる
- 構成を作らせる:まず見出しや投稿の骨組みだけを出力させ、自分で順番と抜け漏れを直す
- 本文を書かせる:直した構成を渡して本文を生成。文体・文字数・禁止表現を指定する
- 人の手で仕上げる:固有名詞・数字・誇大表現を確認し、冒頭の1文だけは必ず自分で書き直す
本文を書かせる際のプロンプトは、次の型を使うと安定します。
あなたは地域密着の個人店のSNS運用を担当するライターです。
以下の条件で Instagram の投稿文を1本作成してください。
# 依頼者
業種: 駅前のベーカリー(創業12年、家族経営)
伝えたいこと: 10月限定の「栗のデニッシュ」発売。土日は午前中に売り切れる
# 条件
- 150〜200文字、冒頭1行で興味を引く
- 絵文字は3つまで、ハッシュタグは5個(地域名を1つ含める)
- 「最高」「絶対」などの誇大表現は使わない
- 最後に来店を促す一文を入れる
# 出力形式
本文 → 空行 → ハッシュタグ
Day 3 の完了条件は、「お金をもらって渡せる」と自分で思える成果物が3本そろうこと。1本につき1時間を目安にし、完璧を目指して止まらないようにします。
Day 4:ポートフォリオを公開する
ポートフォリオは凝ったサイトでなくて構いません。URL 1つで、自己紹介と3本の成果物が見られることが条件です。おすすめは次のどちらかです。
- note の固定記事:無料で、依頼者側も見慣れている。1記事に3本をまとめて貼る
- Google ドキュメント(リンクを知っている全員が閲覧可):最速。見た目より中身で勝負する場合
ポートフォリオに載せる6項目
- 一文の自己紹介(Day 1 で決めたジャンルの言い方そのまま)
- 対応できる作業の範囲(例:構成案/本文/ハッシュタグ選定/画像の文言)
- サンプル3本(想定した依頼者・目的・工夫した点を各2〜3行添える)
- 作業の進め方(ヒアリング → 初稿 → 修正1回 → 納品)
- AIの使い方の方針(下書きにAIを使い、事実確認と最終調整は人が行う)
- 連絡先と返信の目安(例:平日は24時間以内に返信)
5番目の「AIの使い方の方針」を先に書いておくと、依頼者とのトラブルをほぼ防げます。隠すより開示したほうが信頼されます。
Day 5:プラットフォーム登録とプロフィール作成
最初の1件は、クラウドソーシングやスキル販売のプラットフォームで取るのが現実的です。個人の SNS や知人経由は、実績ができてからのほうが動きます。登録時に押さえることは3つです。
- 本人確認・振込口座の登録まで終える:ここが未完了だと提案が通っても受注できない
- プロフィールはポートフォリオの6項目を転記する:空欄があるプロフィールは読まれない
- 単価は「最初の3件は実績作り価格」と明記する:安い理由が分かると依頼者は安心する
最初の単価の考え方
単価は地域・ジャンル・プラットフォームで幅がありますが、最初の3件は「時給換算で最低賃金を下回らない範囲で、相場より2〜3割低め」が目安です。たとえば SNS 投稿文なら「10本セット」のようにまとめて受け、1本あたりの単価を抑えつつ総額を確保すると、作業効率も上がります。実績が3件たまったら、相場に戻してください。
Day 6:提案文を10件送る
返信率は、よくできた提案文でも1〜3割です。10件送って初めて1〜2件の返信が来る、という前提で数をこなします。1件ずつ丁寧に書くより、型を作って10件送るほうが早く受注できます。
提案文テンプレート
はじめまして。個人店向けに Instagram の投稿文を作成している○○と申します。
募集内容を拝見し、「(募集文にある依頼者の課題を1つ引用)」という点で
お役に立てると思い、ご提案いたします。
■ 近い事例
飲食店向けの新商品告知の投稿文を作成した例です(ポートフォリオURL)。
冒頭1行で興味を引き、来店につながる一文で締める構成にしています。
■ 進め方
1. ヒアリング(投稿の目的・NG表現・過去投稿の雰囲気)
2. 初稿を○日以内に提出
3. 修正1回を含めて納品
■ AIの利用について
下書きに生成AIを使い、事実確認・表現の最終調整は私が行います。
AI利用がNGの場合は事前にお知らせください。
ご不明点があればお気軽にご連絡ください。よろしくお願いいたします。
「近い事例」の部分だけは、募集内容に合わせて毎回差し替えます。ここが使い回しだと読まれません。
Day 7:返信対応・振り返り・改善
7日目は新しいことを始めず、返信対応と改善に充てます。
- 返信が来た案件:24時間以内に返す。質問には結論から答え、追加の確認事項は1通にまとめる
- 返信が来ない案件:気にしない。1週間後に別の募集へ再度提案する
- 提案文の改善:10件送った中で返信があったものと無かったものを比べ、件名・冒頭・事例のどれが違ったかを1つ直す
- サンプルの改善:Day 3 の3本のうち一番弱い1本を作り直す
受注したら:納品前チェックリスト
最初の1件は、品質より「約束どおりに納品する」ことが次の依頼につながります。納品前に次の10項目を確認してください。
- 依頼文に書かれた条件(文字数・本数・形式)をすべて満たしているか
- 固有名詞(店名・商品名・人名)の表記が依頼者の表記と一致しているか
- 数字(価格・日付・時間)を依頼者の情報と照合したか
- 「No.1」「絶対」「必ず」など根拠のない断定表現が残っていないか
- 他社名・他商品との比較で、誤解を招く表現がないか
- AIが生成した架空の統計・引用・URL が混ざっていないか
- 依頼者の過去投稿や既存文章とトーンがそろっているか
- ファイル名・納品形式(Googleドキュメント/Word/テキスト)が指定どおりか
- 納品メッセージに「修正対応の範囲と回数」を明記したか
- 納品後に「次回も依頼しやすい一言」(例:月ごとの投稿セットも対応できます)を添えたか
最初の1件で失敗しないための注意点
規約と著作権は「依頼者の条件」が優先
生成AIの利用可否は、プラットフォームの規約と依頼者の意向の両方を確認します。提案文の段階で開示しておけば、後から「AIを使ったのか」と問題になることはほぼありません。画像を扱う場合は、使用するツールの商用利用条件も確認してください。
個人情報・機密情報をAIに入れない
依頼者から受け取った顧客リスト・未公開の価格・社内資料は、AIツールに入力しないのが原則です。必要な場合は、固有名詞を伏せ字にしてから入力し、出力後に戻します。
確定申告の準備は最初から
副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です(会社員の場合)。ツールの利用料・通信費・書籍代などは経費になる可能性があるので、最初の1件から領収書とやり取りの記録を残す習慣をつけてください。詳しくは当サイトの確定申告の記事で、経費にできる項目を整理しています。
まとめ:7日で「案件に出せる状態」を作る
7日間ロードマップの要点を振り返ります。
- Day 1〜2:ジャンルを一文で言える状態にし、無料枠でツールを1回動かす
- Day 3〜4:成果物を3本作り、URL 1つで見られるポートフォリオにする
- Day 5〜6:本人確認まで終えたプロフィールを作り、型を使って提案文を10件送る
- Day 7:返信対応と改善。受注したらチェックリストで約束どおりに納品する
最初の1件が取れると、2件目以降は「実績があります」と言えるため、提案の通過率が目に見えて変わります。学習を続けるより、今日 Day 1 のジャンル決めを終えることが、最短で収益化に近づく方法です。より長期の計画(90日で月30万円を目指すロードマップ)は、無料ガイドにまとめています。



